現代において、なぜうつ病は増え続けるのか?
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現代において、なぜうつ病は増え続けるのか?
うつ病の症状は主に「抑うつ気分」で、ひどく憂うつな気持ちが続き日常生活に支障をきたしている状態になります。また、何に対しても興味をもてない・喜べない、意欲が低下する、焦燥感や罪悪感があるなどの精神症状が出るケースもあります。さらに、精神症状に加えて睡眠障害や食欲低下、倦怠感、易疲労感など様々な身体症状や、周囲からみてわかる変化が出現する患者も珍しくありません。
このような多彩な症状を呈するうつ病の診断には、アメリカ精神医学会の「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版( DSM- 5)」の診断基準が用いられるようになってきています。
DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル / 医学書院
薬剤選択の基本はSSRI、SNRI、NaSSAのいずれか
うつ病に対する治療薬には、SSRI、SNRI、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬があります。
三環系抗うつ薬など従来の抗うつ薬は、ノルアドレナリンやセロトニン、ドパミンのトランスポーターに結合し再取り込みを阻害することで、モノアミンの細胞外レベルを増加させます。しかし、抗コリン作用、抗アドレナリン作用、抗ヒスタミン作用を強く併せ持っているため、臨床的には口渇、便秘、立ちくらみ、眠気などの副作用を呈するという欠点がありました。それらの副作用を軽減させたのが、モノアミントランスポーターのみを選択的に阻害するSSRI、SNRI です。
NaSSAは、セロトニン再取り込みを阻害するだけでなく、前シナプスのα2自己受容体の遮断作用によりアドレナリンおよびセロトニンの遊離を増大させ、さらに、セロトニン5-HT2および5-HT3受容体を阻害することで、抗うつ作用に深く関連する5- HT1受容体を選択的に活性化させる薬剤です。ノルアドレナリンおよびセロトニンの神経伝達を増強すると考えられています。
現在はこれらの新規抗うつ薬( S S R I、S N R I、N a S S A)のいずれか1 剤を低用量から投与開始し、速やかに十分量まで漸増し十分な期間投与することが薬物療法の基本となっています。
成果主義の現代社会では様々なストレスが増加している上に、昨今のコロナ禍で社会のストレスは増加しています。それによりうつ病患者が増加することも予想される中で、どのようにうつ病患者をサポートしていくか、最終的に症状の行き着く先の最悪の事態、自殺をいかに回避していくかは現在の喫緊の課題です。
続きは、是非下記の記事よりご確認ください。
増え続けるうつ病正しい理解とサポートで自殺を防ぐ
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