デュピクセントが再び市場拡大再算定の対象に!?
参考記事
新薬14成分18品目を了承、中医協デュピクセントは市場拡大再算定で引き下げ
2024年の診療報酬改定に関する記事をまとめた
「診療報酬改定2024まとめ」はこちら>>
アトピー性皮膚炎の治療薬デュピクセント皮下注(一般名:デュピルマブ〔遺伝子組換え〕)は「年間販売額が350億円超かつ、基準年間販売額の2倍超」との要件に該当したため、市場拡大再算定の対象となり薬価を11.4%引き下げることが報告された。300mgシリンジは6万6356円から5万8593円、300mgペンは6万6562円から5万8775 円となり、適用は8月1日。
今回は、2021年5月18日に開催された中医協総会で決定してデュピクセント皮下注の市場拡大再算定についてまとめたいと思います。市場拡大再算定については薬剤師のための中医協講座の過去記事「市場拡大再算定?特例?薬価大幅減の理由は?」もご参照ください。
市場拡大再算定とは?
まずは市場拡大再算定の復習です。
市場拡大再算定は薬価収載時に予想された年間販売額を大きく超えて売れた場合(市場拡大)した場合に薬価の見直し(再算定)が行われる制度で、2000年(平成12年)から正式なルールとして導入されています。
- 薬価収載後10年後の薬価改定を受けていない薬
- 以下のいずれかに当てはまる薬
・原価計算方式で算定
・原価計算方式以外で算定されたもので用法や適応の変化により
使用実態が著しく変化したもの - 以下のいずれかに当てはまる薬
・年間販売額150億円超 + 基準年間販売額2倍以上
・年間販売額100億円超 + 基準年間販売額10倍以上 + 原価計算方式で算定
中医協 総-3参考1 4.1.19 市場拡大再算定の要件について より
原価計算方式により薬価が算定された医薬品(薬価収載時に類似薬がなかったもの)については最大で25%、それ以外のものについては最大で15%の薬価が引き下げられます。