チーム医療を担う薬剤師の役割とは?課題や事例をまとめた記事一覧

更新日: 2020年8月20日 近畿国立病院生涯教育センター

「チーム医療の実践に関する知識を修得することで、臨床薬剤師の資質向上を目指す」として、2019年度に実施された近畿国立病院生涯教育センター の講座を一部改変した、事例検討の連載コラムです

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シリーズ11
栄養・褥瘡について考える

不足栄養分の補い方法を理解する

患者さんの症例と追加情報を読んで、目標接種カロリーへの理解と処方提案についての理解を深めましょう。また、患者さんを想像しながらQuestionについて考えてみましょう。

患者情報

症例

66歳 男性
身長:166.4 ㎝  体重:102.3 ㎏ 体表面積:2.09 ㎡ 
治療病名:糖尿病、高血圧、高脂血症(肥満)
肺がん(右上背部痛が出現し受診、CTガイド下肺針で扁平上皮がんと診断。
病期:(cT3N0(r/oN2)M0) CDDP/TS-1  6コース。放射線治療併用。
その後、小脳転移にγナイフ。腫瘤増大認めDOC 6コース施行。
更にnab PAC 6コース施行(d1,8,15)。GEM 2コース施行。CTで陰影拡大認めたため、オプジーボ1コース目施行目的入院。
甲状腺機能低下傾向あるが内分泌Drにコンサルトし外来で経過観察の範囲と。)
既往歴:60才糖尿病、10才虫垂炎  家族歴: 父:大腸癌   職業:事務、管理
嗜好品: アルコールなし、 喫煙 40*20-67(Cr) = 1880


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追加患者情報

4/27~20XX(+1)/1/26 オブジーボ 2~19コース施行。当初、pseudo progressionみられたが、4コース後に縮小得られた。
6/8より、甲状腺ホルモン補充開始。
追加Rp)チラージンS 25μg 朝食後 開始
20XX(+1)/1/6ころから食欲低下。歩行時のふらつきの訴えあり。脳病変はサイズ不変も周囲の浮腫の増強あり。
2/10、食欲不振でオプジーボ中止。
2/16、食事とれなくなり入院。オプジーボの免疫関連副作用の副腎不全を考え、内分泌Drにコンサルト。


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12/22時点で不足栄養分を補うにはどうしたら良いか?以下3つの項目から考える

  • 経腸栄養と静脈栄養どちらを選択するべきか?
  • 目標摂取カロリー、蛋白、水分量は?
  • TPNの方針になった場合、投与設計は?
Q1の答え 表示

12/22時点で不足栄養分を補うにはどうしたら良いか?


  • 経腸栄養と静脈栄養どちらを選択するべきか?

泥状便であり、さらに下痢がひどくなると仙骨部の褥瘡が汚染され悪化に
つながる可能性があるため、経腸栄養より静脈栄養を選択。


  • 目標摂取カロリー、蛋白、水分量は?

166cmの理想体重:1.66 m×1.66 m× 22 = 60.6 kg
カロリー:60.6(kg) × 25= 1515 kcal ( ≒ 1500 kcal )
蛋白:60.6(㎏)×1=60.6g
水分量60.6(㎏)×30=1818mL


  • IVHの方針になった場合、投与設計は?

エルネオパ1号を2、3日投与後、エルネオパ2号へ。
イントラリポス1本併用。
(1430kcal、蛋白45g、脂肪20g、水分量1700mL)

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外来がん治療認定薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師、日本糖尿病療養指導士、その他団体での認定・専門薬剤師資格取得に繋がります。また、保険薬局の薬剤師であれば、かかりつけ薬剤師の取得条件になります。

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