調剤報酬改定の算定項目をわかりやすく解説

更新日: 2026年5月16日 薬剤師コラム編集部

【2026新設】薬学的有害事象等防止加算の算定要件をわかりやすく解説

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2026年の調剤報酬改定では、対人業務に関する評価体系の見直しが行われ、その一環として「薬学的有害事象等防止加算」が新設されました。
重複投薬・相互作用等防止加算が廃止され、本加算が新設されたことから「従来の加算と何が違うのか」と疑問に感じる方も多いでしょう。

本記事では、薬学的有害事象等防止加算の算定要件や点数、施設基準など算定するうえで押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

薬学的有害事象等防止加算(2026年新設)とは

薬学的有害事象等防止加算とは、2026年度の調剤報酬改定で新設された、調剤管理料に対する加算項目です。

重複投薬や相互作用などによる薬学的リスクを未然に防ぐ取り組みを評価するものです。
電子処方箋の重複チェック機能などを活用し、疑義照会の結果として処方内容の変更が行われた場合に算定します。

2026年度の改定では、「残薬対策・一元的管理の推進」が重要な柱として位置付けられています。これに伴い、「調剤時残薬調整加算」と「薬学的有害事象等防止加算」の2つが新設されました。

参照:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】 /厚生労働省
参照:別表第三 調剤報酬点数表 /厚生労働省

調剤時残薬調整加算と薬学的有害事象等防止加算の違い

「調剤時残薬調整加算」と「薬学的有害事象等防止加算」は、いずれも疑義照会等により処方変更が行われた場合に算定される点は共通していますが、評価の対象が異なります。

調剤時残薬調整加算 患者又はその家族等から残薬状況の聞き取りを行い、
残薬調整を実施した場合を評価
薬学的有害事象等防止加算 服用薬剤の一元的管理に基づく薬剤調整を評価

従来は、残薬調整を含む処方提案や疑義照会などの対応は、「重複投薬・相互作用等防止加算」で一括して評価されていました。
しかし、今回の改定により、残薬への対応と薬学的リスクの防止は、それぞれ独立して評価する体系へと見直されています。

なお、これらの新設に伴い、重複投薬相互作用等防止加算(および在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料)は廃止されました。

参照:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】 /厚生労働省

薬学的有害事象等防止加算の算定要件

薬学的有害事象等防止加算の主な算定要件は、以下のように定められています。

薬剤服用歴、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律に基づく電磁的記録をもって作成された処方箋の仕組みを用いた重複投薬の確認等に基づき、処方医に対する照会(残薬調整に係るものを除く。)の結果、処方に変更が行われた場合(別に厚生労働大臣が定める保険薬局において行われた場合を除く。)は、薬学的有害事象等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

引用元:別表第三 調剤報酬点数表 /厚生労働省

具体的には、薬剤服用歴等又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更(残薬調整に係るものを除く。)が行われた場合に処方箋受付1回につき算定が可能です。

  • 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
  • 併用薬、飲食物等との相互作用
  • そのほか薬学的観点から必要と認める事項

算定にあたっては、重複投薬や相互作用が生じる理由を分析し、必要に応じて処方医へ情報提供することが求められます。

また、処方医に連絡・確認を行った内容の要点や変更内容については、薬剤服用歴等に記載しておく必要があります。また、レセプト摘要欄への必要事項の記載も忘れず行いましょう。

参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
参照:「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について・保医発0327第2号令和8年3月27日 /厚生労働省

薬学的有害事象等防止加算の施設基準

薬学的有害事象等防止加算を算定するためには、手帳の活用実績に関する基準を満たしていなければなりません。
算定要件にある「厚生労働大臣が定める保険薬局」というのは、「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」のことです。

つまり、手帳の活用実績が不十分な薬局では、薬学的有害事象等防止加算を算定することができません。具体的には、3か月以内に再度処方箋を持参した患者への服薬管理指導料の算定回数のうち、手帳を提示した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合で判定されます(小数点以下は四捨五入)。

  • 50%を超える場合:算定可能
  • 50%以下の場合:算定不可

手帳の活用実績は、前年5月1日から当年4月30日までの実績をもとに判定され、その結果が当年6月1日から翌年5月31日まで適用されます。

なお、一度基準を満たさなくなった場合でも、直近3か月間で手帳提示率が50%を上回れば、翌月からは「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当しないものとします。

参照:特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第71号) /厚生労働省
参照:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第8号) /厚生労働省

薬学的有害事象等防止加算の対象患者と点数

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