同じデバイスでも算定可?練習用吸入器は必要?吸入薬指導加算の疑問に回答

「薬局のアンテナ」のてっちゃんです!
今回は吸入薬指導加算で多く頂くご質問を取り上げます。
吸入薬指導加算は算定要件を細かく見れば見るほど、色んな解釈が出来るため、多くの疑問が出てくる点数でもあります。
患者が正しく吸入薬を使えるように支援することが大前提とはなりますが、しっかりと患者をサポートしたのであれば積極的に算定したい点数です。
一方で算定要件も適切に満たす必要がありますので、今回は日々頂くご質問の中で特に多いものを紹介していきます。
参考までに吸入薬指導加算の概要を以下に示しします。

吸入薬指導加算の概要/筆者作成
なお、吸入薬指導加算の算定要件にある「医師の了解」や「患者の同意」の考え方は以下のコラムでも紹介しています。
算定件数を大幅にアップ出来るヒントになると思いますのでぜひ合わせてご確認ください。
Q1.風邪の患者に吸入薬が処方されているのですが、算定可能でしょうか?
A.吸入薬指導加算の算定要件上、喘息又は慢性閉塞性肺疾患の患者が算定対象となっております。
よって、風邪の患者に対して算定可能かどうかと言えば算定は出来ないということになるのですが、そもそも診断を下すのは医師であるという点に留意が必要です。
患者が薬局で「風邪を引いた」と言ったとしても、医師としては呼吸機能の低下がある、喘息による咳、喘息のような症状があるということで吸入薬を処方している可能性もあります。
つまり、風邪なのか喘息なのかを診断するのは患者ではなく処方医であり、その診断に応じた薬が処方されているという前提での対応が必要ということです。
よって、薬局としてもその意向をくみ取って患者へ吸入指導等を行い算定するというスタンスが望ましいと考えています。
Q2.異なる吸入薬で、デバイスが同じ(エリプタ等)の場合は3月以内でも算定できますか?
A.吸入薬指導加算の算定要件では、デバイスが同じ場合の取り扱いが明確に示されているわけではないのですが、以下の通りとされています。
ただし、当該患者に対し他の吸入薬が処方された場合であって、必要な吸入指導等を別に行ったときには、前回の吸入薬指導加算の算定から3月以内であっても算定できる。
つまり、デバイスが同じかどうかというよりも、
- 他の吸入薬であること
- 必要な吸入指導等を別に行っていること
この2つのポイントを満たしているかどうかが判断ポイントです。
例えば、AエリプタからBエリプタ(AとBは別成分)であれば、他の吸入薬に該当します。その上で、必要な吸入指導等を別に行った場合は算定できる可能性があります。
逆に言えば、同じエリプタ製剤ということで特に吸入指導等を行っていないなら当然算定は出来ないことになります。
デバイスが異なれば、多くのケースでは吸入指導を別に行いますので算定する機会も多いと思われます。
一方で、デバイスが同じであってもその時の薬剤師の判断で吸入指導等を別に行ったのであれば算定できる可能性があると考えます。
Q3.練習用吸入器がない薬の場合は算定できないのでしょうか?
A.吸入薬指導加算の要件上、以下の通りとされています。