子どもに薬を飲んでもらうには? 服薬指導で実践したいこと!
甘いものや『ごはんですよ!』と一緒に薬を飲んでみる?
「苦いお薬はアイスやチョコアイスで飲みましょう」。そんな服薬指導をしていませんか?
この問いにはあの方法で~!なんて決まった方法でいいのでしょうか?私は違うと思っています。
「甘いものが苦手」な子どももいるのです。ほんのりと甘い飲み物と一緒に服用するのであれば問題ないかもしれません。でも、甘ったるい食べ物がNGの子どもなら、「うげー」って顔をされちゃいますよ。飲ませたママさんからはこの薬剤師さんって、決まったことをいうロボットなの?と思われるかもしれませんね…。
と、いうことで薬と一緒に飲めるもので「苦みと甘味があるもの」を考えてみましょう。
例えばプリンのカラメル部分や抹茶アイスもありますね。カラメルの部位だけを取るなんて忙しいママには不向きです(笑)。少し苦めのコーヒー牛乳なんかも1つの選択肢として良いでしょう。
また、甘くないものもあります。
ご飯のおとも『ごはんですよ!』そして、お味噌汁。(じゃーん)。
場合によって初回に海苔の佃煮を提案して、次回来局時に「どうでしたか?お子さんはごはんも(食欲)も取れましたか?」と食欲も合わせてヒアリングできますね。
意思疎通できる子どもには「対等な交換条件」を出そう
ある程度の会話や意思疎通ができる子であれば「アイスと一緒にお薬飲もうね?」よりも、「お薬飲めたら、アイス食べようね!」と条件付きの会話をしながら説明するのもいいですね!
親御さんの中には「そんなにしょっちゅうアイスをあげられないよ!」と思う方もいるので「3日間飲んだらね!」などの条件を加え、お子さんの好きな食べ物をパパさん、ママさんにも聞いて、協力していただくことが大切だと思っています。
美味しいものでお子さんを釣るときは対等な条件を提案するのも忘れずにしてくださいね。
白衣とキャラクターアイテムは子どもに効果あり
薬局という空間は子どもにどう思われているのでしょうか。
薬局のユニフォーム1つとっても、子どもからしたら「異質な人」なんですよ。
子どもには普段白衣を着て話しかける人はいないのですから「魔法の粉だよ~」と冗談交じりに伝えるのもGOODだと思います。ただキクオの場合、初回の投薬では絶対やりません。まずは笑顔で親しみを込めた会話を心がけましょう。親によっては「突然ゼロ距離で失礼じゃない?魔法の粉?この薬剤師は大丈夫?」と思われてしまいます。私ならきっとそう思うので…(笑)。
そしてキャラクターアイテムを身に着けるのもおすすめ。今なら鬼滅の刃。ディズニーのアイテムもいいでしょう。最強はアンパンマンです。やはり強い。業務中にぬいぐるみを持とうということではありません。胸元にワンポイントのキャラクターがいるだけで子どもの視線はこちらに集まりますよ!
服薬指導では子どもの興味を観察し、情報の先回りをしてみよう
私が子どもの服薬指導で注意していることは「子どもが何に対して興味があるのか」を理解することです。例えば、私は両親に対して服薬指導をすることが多いです。でも、薬をお渡しする前にお子さんの行動をチェックしておきます。
子どもは、絵本を読んでいるのか、ゲームをしているのか、スマホで遊んでいるのか、それとも母親と会話をしているのか。
私は子どもが薬局のどこに興味があるのかを観察しています。ときに薬局のウォーターサーバーで遊んでいたりもしますね!元気な子なら「別のスタッフが見ておきますね~」と伝えるだけでも、親は安心して服薬指導を聞けますもんね!
つまりは服薬指導の前に会話のきっかけを探しているのです。恐らくこれはディスカッションや恋愛なんかでも使えるテクニックだと思っています。情報の先回りをして指導に活かすこと。ぜひやってみてくださいね。
あ、言い忘れていましたが、薬の小児量確認はめちゃくちゃ大切ですので!改めて小児量は入念にチェックしておきましょう!
子どもに対しての服薬指導をキクオなりにまとめてみました。
①苦い粉薬を改善させるのは甘いだけの提案でいい?甘いものから海苔の佃煮やお味噌汁までの配慮を!
②意思疎通ができそうであれば、親を巻き込み、対等な条件を提案!
③子どもが薬局内で関心を寄せているのはどれ?投薬前にチェック!
「子どもが薬をまったく飲んでくれません、なにをやってもダメです」と困ることもあります…。特に1歳前後のお子さんに多いですね。最初の一口目こそ、重要だということを伝えたいです。
親御さんは自分よりも子どもの心配をしています。子どもに初めて薬を飲ませるときは不安な気持ちにもなるでしょう。それを解決できるのは薬剤師です。気を引き締めていきましょう!
今回の記事が新人薬剤師や小児科門前薬局に異動になる薬剤師に届いてくれたらうれしいです。それでは、また!