薬剤師はAIに支配されるのか?薬剤師の需要の将来を考察してみた!
薬剤師の需給動向の予測および 薬剤師の専門性確保に必要な研修内容等に関する研究 参考
まずは薬剤師の需要動向の資料をひも解こう!
厚生労働省の資料『薬剤師の需給動向の予測および 薬剤師の専門性確保に必要な研修内容等に関する研究』によると、2043年には薬剤師数が40万人となります。結論を抜粋すると長期的に見て薬剤師の供給が需要を上回る可能性があること、そして、薬剤師に求められる業務へ対応や調剤業務などが効率化するので、薬剤師の必要性は変わり得るものと記載がありました。
キクオが高校生の頃は「絶対安定している職業だよ!」なんて親から言われていたのに…。
背景には、近年、薬学部を開設する大学が増えていることもあるのかもしれません。ただ、関東・都心方面の薬剤師に聞くと「面接の前、書類選考で落ちた」という転職組もいる一方、地方では「条件を良くしても人手が足りない」という声を耳にします。私が働いている愛知県でも「薬剤師不足のため一時的に閉局します」との貼り紙をしている薬局もあるくらいです。
同じ愛知県でも人口が多い名古屋市には薬剤師が多いのですが、知多半島などアクセスがあまり良くないエリアでは薬剤師不足に悩んでいる企業はまだあるのです。薬学部が多い都心ほど、薬剤師の過剰エリアであることを理解する必要がありそうですね!
薬剤師が人生で大切にするものはやりがい?お金?時間?
薬剤師がライフステージごとに大切にすることは異なります。
キクオの場合、新卒のときは「多くの薬学知識を吸収して、薬剤師としてスキルアップを早くしたい」つまり「薬剤師としてのやりがい」を意識していました。ところが実際に働くと勝手に職場に期待をしている自分の姿や、やりがいを考えられないくらいに余裕がなくなることを経験したのです。プライベートの時間やお金のバランスも大切なんだよね~。
最近、キクオはZoomで薬学生や新人薬剤師とお話をする機会がありました。
その中の話で若手は「なりたい薬剤師像」を目標の1つとしていましたよ。具体的には自分が患者さんのときに「親身になって悩みを解決してくれる薬剤師」と言います。わかるなー。現場では「もっと患者さんのお話を聞きたい、対応する時間があればいいのに…」とよく思わされます!
AIが進化すると、薬剤師の人間性に注目が集まる
漢方薬局では患者さんから「予約制」の相談を受けているところがあります。でも調剤薬局やドラッグストアで予約制の相談時間を設けているところって一体全国にどのくらいあるのでしょう?
もしも、AIや機械のおかげでその時間を捻出できるとしたら…!?キクオが思うに、時間ができると何かしたくなるのが日本人。きっと作業時間が減少したときにこそ、本格的な患者さんの争奪戦が起こるのでは?と予想しています。時間を確保している企業や薬剤師がより対人業務に力を入れられる構想です!
その上で薬剤師はAIに支配されると思うのか?
答えはNo。コロナ禍でも感じましたが、人が、人に会いたい、話したいという感情はなくなりません。AIや機械化によって薬剤師の仕事は変化しますが、薬剤師の仕事はより人を魅了する存在になっていくと私は感じます。だって薬剤師はもちろんのこと、仕事やプライベートで人間的に優れていたり、尊敬できる人たちをたくさんキクオは目にしているから。
薬剤師という鎧を見るのでなく、人間として中身を見てくれる方が多くなれば、自然と薬剤師の必要性は高まるのではないかなと思うのです。
そして、患者さんから爆発的に支持を集める薬剤師は、地元メディアにピックアップ。一気にタレント化が進むと予期します。若手が思い描く「こんな薬剤師に任せたい」と思う特集も進むことでしょう。
薬剤師ユーチューバー!?など多種多様な薬剤師が登場
一方、現行の問題解決をしないまま、与えられた仕事をするだけの薬剤師は衰退していくのかもしれません。それこそテクノロジー支配が思い浮かびます。支配って言葉は胸にグサッときますよね!薬剤師は「無能、意味ない、何をやっているのかわからない~」。なんて言われていそうで(汗)。
ただね、私は既に過去のことだと思っています。
なぜならすでに薬剤師は在宅医療で薬局の外に出たり、薬局で健康フェアを開いて地域の健康に寄与したり、医師やその他の医療従事者と一緒になって医療を提供しているからです。在宅にお邪魔する際も「薬剤師さんありがと~」なんて声をいただくことも多いのではないでしょうか。
今から、そして将来は、以下のような多種多様な薬剤師が活躍する時代がきます。
- オンラインで活躍をする薬剤師
- 在宅医療に特化した薬剤師
- 女性に寄り添える薬剤師
- 市販薬に強い薬剤師
- youtubeで薬以外のエンタメを届ける薬剤師
など、もっともっと薬剤師の可能性は感じていますよ!
AIや機械化が進んでも、将来的に選ばれる薬剤師の需要はあると思っています。それはAIや機械化の発達で薬剤師としての時間の使い方が変化していくからです。各個人ができることに頭をしぼり、主体的に動く時間が増えるので、働き方や個性を出す薬剤師は増加していくでしょう。大切なことは温かい人になり、必要とされること。薬剤師である前に私たちは人間です。患者さんの感情を考慮して対応ができる薬剤師がもっともっと増えてほしいとキクオは思います。たとえ、AIと比べられても、積極的に一般の方と交流をする薬剤師を自分は目指していきたいです!