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大学教授に聞く!求められる薬剤師になる方法

更新日: 2020年4月29日

真の「医療人 薬剤師」は大学教育だけでは完成しない―患者さんから学ぶ

第14回 糖尿病の合併症を整理しようの画像1

前回のインタビュー「『対人業務』へシフトできない薬剤師・薬局は厳しい時代に」では、薬剤師・薬局に求められる役割が「対物業務から対人業務へ」と急速にシフトしている実状を、昭和薬科大学の渡部一宏教授に解説していただきました。今回はそうした国民や社会からのニーズに対応できる人材をどのように育成しているのかについて話をうかがいます。

(参考)厚生労働省【患者のための薬局ビジョン】 

医療系大学とコラボし、医学生や看護学生らとの多職種連携教育を推進

薬剤師の仕事が「対物業務から対人業務へ」とシフトする中、薬科大学はそうした人材を育成し輩出していく責務があるというお話でした。現在の薬学部カリキュラムでは、どのような教育、取り組みをされているのでしょうか。

薬学教育は2006年、それまでの4年制から6年制に変わりました。それに伴い大学のカリキュラムに、新しく「薬学教育モデル・コアカリキュラム」が導入されました。大きく変わった点の一つが、5年次に病院と薬局で各11週間の実務実習が必修科目になったことです。 同カリキュラムは2013年に改定され、対人業務やコミュニケーション力を強化するために在宅医療、チーム医療、多職種連携などが学習内容に組み込まれました。その意味では厚労省が2015年に打ち出した「対物業務から対人業務へ」(「患者のための薬局ビジョン」)という方針に先行する形で、「対人業務」に関することが臨床薬学教育に加えられたことになります。ちなみに実務実習を受けるためには、4年次の終わりに薬学共用試験を受けて合格しなければなりません。この試験にはCBT(Computer-Based Testing)とOSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)の2種類があり、このOSCEにおいても在宅医療での薬学管理、バイタルサインの測定等、薬剤師の新たな対人業務に関する課題も設定されています。

地域包括ケアシステムの構築が進む中、在宅医療や多職種連携という観点で薬剤師の役割が重要になってきますね。

そう考えています。そのためには他の医療者らとのコミュニケーションが大切になります。そこで本学では2018年から聖マリアンナ医科大学、杏林大学、東京大学・聖路加国際大学の4つの大学と連携し、「多職種連携教育(IPE:Interprofessional education)」を実施しています。2020年度からは 東海大学の医学生、看護学生、福祉学生と連携した大規模IPEを実施する予定です。IPEの教育プログラムは、薬学生が医学部生、看護学部生と数名のグループを編成し、一つの症例課題についてグループディスカッションを行って治療計画やケア計画を立てます。こうした取り組みは医療系の総合大学では可能であったものの、単科薬科大学では教育プログラムを組むことは難しく、本学のような取り組みは大変珍しいものです。
この、IPEにはもう一つ大きな狙いがあります。グループディスカッションを通じて同じ医療職を志す医学生や看護学生がどんなことを考えているのかを知ることです。本学と連携大学におけるIPEでは、4年次と学年を揃えて実施しています。同学年の学生同士フラットな関係で、それぞれの医療職における意見をざっくばらんに話し合ってほしいという考えからです。実際、学生たちはグループディスカッション開始後すぐに打ち解け、IPEが終了した後も、LINEを交換したり、懇親会を開いたり、自由に交流しています。普段、単科大学における学生生活のコミュニティは限られていますので、こういった交流は今後の医療人としての人生において大きな糧となると思っています。 今後も連携大学の輪を広げIPEの取り組みを更に充実させたいと考えています。

第14回 糖尿病の合併症を整理しようの画像2

薬学生、医学生、看護学生が意見を交わす。IPEグループディスカッションの様子

6年制教育を受けた薬学生が社会に出始めて約10年になります。臨床の現場ではどのような変化が起きているのでしょうか。

6年制の第一期生の卒業生は現在30代半ばくらいで、それぞれの医療現場の中堅クラスになっています。6年制教育を受け「対人業務」の重要性を理解している卒業生たちが、起爆剤となって薬剤師、薬局、そして医療業界全体が、社会のニーズにマッチするように変わってほしいと思いますね。それが私たち教育現場の思いです。事実、4年制教育を受けた医療現場の薬剤師も若い薬剤師には負けてはいられないと言う思いもあり、「対人」にシフトするために知識やスキルをアップデートするため必死に自己研鑽し学んでいます。いまは過渡期で、全体に浸透するにはあと10年くらいかかるのではというのが私の見方です。

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