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薬剤師のための転職・求人コラム

更新日: 2026年3月1日 薬剤師コラム編集部

薬剤師国保とは?被用者健康保険や国民健康保険との違いを転職前に確認

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薬剤師が転職する際、意外に見落としがちな「健康保険の切り替え」。
実は、勤務先によって加入する保険の種類が変わり、それに伴い保険料や給付内容なども大きな違いが出ることがあります。

「薬剤師国民健康保険」「国民健康保険」「被用者健康保険」の3つは、薬剤師が加入する可能性が高いものであり、それぞれの特徴や違いを理解しておくことは大切です。
加入することでのメリット・デメリットを知り、転職を考える際の参考にしてみてください。

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健康保険の仕組みと分類

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日本では国民皆保険制度が採用されているため、国内に住む人は何らかの公的医療保険に加入することが義務付けられています。
そのため、病院で診察を受けたり、薬局で薬を受け取ったりする際には、健康保険を利用し、医療費の一部だけを自己負担で支払います。

薬局を含めた医療機関等で患者が保険を利用する際の基本的な流れは以下の通りです。

我が国の保険医療について/厚生労働省

引用元:我が国の保険医療について /厚生労働省

私たちが加入する健康保険には「国民健康保険」や「被用者健康保険」をはじめ、様々な種類があります。
保険の種類によって保険者や加入対象者、保険料、給付内容等が異なるため、自分がどの保険に加入しており、どのように活用できるかを理解しておくことが重要です。

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薬剤師が加入できる健康保険の種類

薬剤師国保とは?被用者健康保険や国民健康保険との違いを転職前に確認の画像3

通常、薬剤師が加入する可能性のある健康保険は以下の3種類です。

種類 加入対象者の例
薬剤師国民健康保険 個人経営の調剤薬局に勤務する人
国民健康保険 転職活動中、無職の人
被用者健康保険 病院や企業、チェーンの調剤薬局に勤務する人

ここからは、それぞれの健康保険の違いについて詳しく確認していきましょう。

薬剤師国民健康保険

薬剤師国民健康保険とは、各都道府県の薬剤師会が運営する国民健康保険であり、基本的に対象の企業に勤める薬剤師やスタッフ、その家族のみが加入できるものです。
従業員の数が5人未満の事業所が対象となるため、個人経営の薬局などで従業員数が5人未満の場合は、薬剤師国民健康保険の加入対象となることがあります。

保険者 各都道府県薬剤師国民健康保険組合
対象の企業 従業員が5人未満の事業所 ※
対象者 個人経営の薬局等に勤務する薬剤師、医療事務スタッフ、家族等
加入条件 加入する都道府県の組合によって異なる
保険料 給与収入にかかわらず一律
扶養制度 なし
保険給付 一部あり

※法人事業所や従業員を5人以上雇用している事業所は、協会けんぽへの加入が原則です。ただし、すでに薬剤師国保に加入している薬局等で従業員が増えた場合などは、「健康保険適用除外承認申請」の承認を受けることで、その後も薬剤師国保に加入し続けられる場合もあります。

加入条件

薬剤師国保への加入は、個人薬局等で働いている薬剤師であれば誰でもできるわけではなく、以下のような条件を満たす必要があります。薬剤師国保は各都道府県の薬剤師会が運営しているため、加入条件もそれぞれの組合によって異なります。

【例:東京都薬剤師国民健康保険組合の加入資格】

  1. 東京都薬剤師会の会員であって、東京都内に所在する薬局又は医薬品販売業(以下「薬局等」という。)の開設者および管理者
  2. 東京都薬剤師会の会員であって、薬剤師の業務に従事する者
  3. 組合員が開設する薬局等の従業員

参照:資格と保険料 (https://www.toyakukokuho.jp/Shikaku.html)/東京都薬剤師国民健康保険組合

薬剤師が薬剤師国保に加入した場合、社保加入者以外の同一世帯の家族も薬剤師国保に加入することになります。
なお、市町村の国民健康保険に加入している方は、薬剤師国保の被保険者となることが優先されます。

保険料

薬剤師国保の保険料は給与収入に関わらず一律です。
例えば東京都薬剤師国保では、保険料は以下の金額が定められています。

事業主組合員および後期高齢者組合員は、毎月27日に口座から引き落とされ、従業員については、家族分も含めて毎月の給料から天引きされます。

保険料 後期高齢者支援金
事業主組合員 26,000円 3,500円 29,500円
従業員(薬剤師) 21,500円 3,500円 25,000円
従業員(その他) 16,000円 3,500円 19,500円
家族 9,000円 3,500円 12,500円
未就学児 6,000円 6,000円
後期高齢者組合員 2,500円 2,500円

参照:資格と保険料 (https://www.toyakukokuho.jp/Shikaku.html)/東京都薬剤師国民健康保険組合

保険給付

薬剤師国民健康保険に加入することで受けられる保険給付には、いくつかの制限があります。
以下は、東京都薬剤師国民健康保険組合に加入した場合の主な保険給付の内容です。

保険給付の種類 給付の有無
高額療養費制度 あり
葬祭費 あり
出産一時金 あり
出産手当金 なし
傷病手当金 なし
保険の任意継続 なし

参照:保険給付 (https://www.toyakukokuho.jp/Kyuufu.html)/東京都薬剤師国民健康保険組合

このように、出産手当金や傷病手当金の給付はありません。
そのため、産休中や病気・怪我で仕事を休む場合の生活費は、あらかじめ自分で備えておく必要があります。

なお、保険給付の内容は保険者によって異なることもあるため、加入予定の組合に詳細を確認してみると良いでしょう。

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国民健康保険

国民健康保険は、都道府県の市区町村が運営する公的医療保険です。
個人事業主や無職の方、短時間勤務のパート従業員など、他の社会保険や組合健保に加入していない人が対象となります。

日本は国民皆保険制度を採用しているため、基本的に他の保険に加入していない人は全員、この国民健康保険に加入すると考えればよいでしょう。

保険者 市町村
対象者 自営業者、短時間のパート、無職、退職者など
加入条件 他の社会保険や組合健保等に加入していない人
保険料 市町村・所得によって異なる
扶養制度 なし
保険給付 薬剤師国民健康保険と概ね同じ(一部任意給付あり)

薬剤師が会社から退職し、次の就職先が決まるまでの間に一時的に切り替える場合は、この国民権法保険に加入するケースが一般的です。
ただし、以前勤めていた会社の社会保険を任意継続するという選択肢もあります。

どちらを選ぶべきかは、住んでいる地域や年収、扶養家族の有無などにより異なるため、保険料や給付内容をよく比較して検討することが大切です。

なお、国保の保険給付は薬剤師国保と概ね同じですが、傷病手当金や出産手当金などの任意給付については、市町村ごとに給付の有無や内容が異なる場合があるので、保険者に確認するようにしましょう。

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被用者健康保険

被用者健康保険とは、国や地方公共団体、法人などに雇われている従業員や、その扶養家族が加入するものです。
薬剤師の場合、病院や企業、あるいは従業員が5人以上いる調剤薬局に勤めている場合等は、この被用者保険に加入することになります。

主な保険者には以下のようなものがあります。

  • 全国健康保険協会(協会けんぽ):主に中小企業の従業員とその扶養家族が対象
  • 組合管掌健康保険(健保組合):主に大企業や、同じ業種の企業が共同で設立した組合が運営
保険者 協会けんぽ、組合管掌健康保険など
対象の企業 法人または従業員5人以上の事業所
対象者 正社員、一定以上の労働時間・収入があるパートタイマー
保険料 収入に応じて(労使折半)
扶養制度 あり
保険給付 充実

企業に就職して働く限りは、原則として被用者健康保険に加入することになります。特に家族が多い方や、病気・出産といった期間に備えたい方にとっては、最も手厚い保険といえるでしょう。

保険料

被用者保険の保険料は、加入する保険者によって多少異なりますが、基本的には給与や賞与などの所得に応じて決まります。
毎月の保険料は、以下の計算式で求められます。

標準報酬月額表×健康保険料率=保険料

「標準報酬月額」とは、毎年4月から6月に支払われた給与をもとに算出される金額であり、「健康保険料率」は保険者ごとに定められています。

例えば、標準報酬月額が300,000円、健康保険料率が9.85%の場合:

【かかる保険料総額】
300,000円×9.85%=29,550円

この保険料は会社と従業員が半分ずつ負担するため、個人の負担額は以下の通りです。

【個人が負担する保険料額】
29,550円÷2=14,775円

この金額が毎月の給与から自動的に天引きされます。

なお、保険料は年収によって変動し、賞与が支給された場合にも、賞与に応じて追加で徴収される仕組みになっています。

保険給付

被用者保険は、薬剤師国民健康保険や国民健康保険と比べて保険給付が充実していることが大きな特徴です。
以下のように、さまざまな給付を受けることができます。

保険給付の種類 給付の有無
高額療養費制度 あり
葬祭費 あり
出産一時金 あり
出産手当金 あり
傷病手当金 あり
育児休業等期間中の保険料免除 あり
保険の任意継続 あり

特に、出産手当金や傷病手当金などの所得保障が受けられる点は、被用者保険ならではです。
また、退職後も一定期間保険を任意で継続できる制度もあります。
例えば協会けんぽでは、退職後2年間は任意で継続加入が可能です。

ただし、こちらも保険者によって給付の内容や条件に違いがある場合があるため、詳細は直接確認することをおすすめします。

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薬剤師国保・国保・被用者保険それぞれのメリット・デメリット

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これまでお伝えしてきた点も踏まえて、薬剤師国保・国保・被用者保険にはそれぞれ以下のようなメリット・デメリットがあるといえるでしょう。

メリット デメリット
薬剤師
国保
・保険料が定額
・保険料に家族割引がある
・保険料は加入者が全額負担
・家族にも個別に保険料がかかる
国保 ・収入が低いと保険料も安くなる
・最低限の月額保険料がない
・職業や働き方を問わず加入できる
・扶養制度がない
被用者
保険
・健康保険と厚生年金の保険料が半額
(会社と個人で折半)
・扶養家族は「被扶養者」として保険
料不要※任意継続時は全額本人負担
・出産手当金や傷病手当金などの
給付が受けられる
・退職後も最長2年間、任意継続が可能
・保険料が収入に応じて変動、
収入が高いと保険料も高額になる
・ボーナスが出た場合、追加の
保険料が徴収されることがある

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転職後に保険はどう変わる?おすすめの保険はどれか

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転職に伴い、薬剤師が加入する健康保険の種類が変わることも少なくありません。
個人経営の薬局に就職するのか、企業や病院、大手の薬局に再就職するのかによって、加入する保険の種類も変わってきます。

どの保険が自分にとってメリットが多いかは、給与の額や扶養家族の有無、住んでいる地域といった状況によって変わってきます。

以下に、保険の種類ごとにメリットが多い人の特徴をまとめました。

保険の種類 メリットが多い人
薬剤師国民健康保険 フリーランスや個人事業主
給与が高い
扶養家族がいない
国民健康保険 一時的に無職
収入が少ない
被用者健康保険 企業や病院に再就職
扶養家族がいる
出産を希望している

ライフステージの変化や働き方の見直しを考えて転職を検討している人は、加入することになる健康保険についても参考にしてみると良いでしょう。

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保険についての理解を転職活動に活かしていきましょう

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薬剤師が転職すると、加入する健康保険も変わる可能性があります。
「薬剤師国民健康保険」「国民健康保険」「被用者健康保険」それぞれにメリット・デメリットがあり、自分の働き方や収入、家族構成等によって最適なものは異なります。

保険制度についても正しく理解し、今後のキャリアやライフプランに合わせて、より良い選択をしていきましょう。

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薬剤師コラム編集部

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