転勤族の妻が選んだ働き方はフルリモート、オンライン在宅薬剤師のキャリアパス
薬剤師のFさんは、転勤族の夫と結婚後、2~3年ごとに転居を繰り返してきました。そのため「転勤があっても続けられる仕事」を基盤とした働き方を求め、現在は医師によるオンライン処方サービスを運営する企業に従事しています。
今回、Fさんの転職活動の経緯や現在の仕事内容、そして今後の薬剤師としてのキャリアプランについてお話をうかがいました。
Fさん流<転職の処方箋>
その1. エージェント選びは、会社よりも担当者との相性が重要
その2. 自分が目指す働き方を見つけたなら、それを貫く覚悟を持つ
その3. 薬剤師は、ITスキルを磨くことでキャリアの可能性が広がる
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転勤族の妻の転職で譲れない条件とは?
Fさんが転職を考えた理由をお聞かせください。
Fさん
主人が転勤族のため、結婚した10年前から2、3年ごとに各地を転々としてきました。現在、5つ目の転勤先で夫と犬と暮らしています。今回の転職で特に重視したのは、転勤しても続けられる仕事でした。
これまで仕事を探す際、どのように行動されましたか?
Fさん
まずはエージェントに登録することから始めました。
これまで登録したのは数社で、エージェントを通して薬局やドラッグストアなどで派遣薬剤師として働いたこともあります。派遣先から、転勤を理解いただいいたうえで直雇用していただくケースもありましたね。現在は、フルリモートで薬剤のオンライン処方を行うサービスを運営する企業に所属しています。これもエージェントからの紹介です。
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薬剤師の仕事では珍しいリモートワーク勤務ですが、その働き方にたどり着くまでの道のりを教えてください。
Fさん
今の住まいに引っ越してきたのは、ちょうど5~6年前のことでした。それまで短いスパンで何度も転勤を経験し、そのたびに職場を変える生活に少し疲れてしまっていました。そこで「腰を据えて働きたい」という思いが強まり、転勤の影響を受けない働き方を模索する中でリモート勤務という選択肢にたどり着きました。場所に縛られず、長く働ける職場を地道に探そうと決めたのです。
エージェントには「フルリモート勤務」かつ「正社員」を希望しました。ただ、こうした求人が非常に少ないことは最初から感じており、正社員にこだわらず、パートや業務委託も視野に入れながら情報収集を続けました。並行して医療ライターの仕事をしていた時期もあります。現在の仕事に就いたきっかけは、登録だけしていたエージェントからの電話でした。リモートワーク可能な職場を探し始めてから、2~3年が経った頃のことです。
エージェントを活用したことのメリットを教えてください。
Fさん
現在の仕事を紹介してくれたエージェントの担当者は、私と同年代の女性でした。
面接に向けた準備やアドバイスをいただけたことで、とても心強かったです。例えば、電子履歴書の写真の貼り方など、細かな部分まで丁寧にサポートしていただきました。そのような気配りのおかげで、安心感を持って転職活動を進めることができました。
転職を何度か経験して感じたのは、エージェントの会社そのものよりも、担当者との相性が重要だということです。中には私の意向を十分に理解してもらえず、営業優先で進められたケースもありました。そういった経験から、私は「どの会社で」というよりも「どの担当者と一緒に転職活動を進めたいか」を重視しています。
まだまだ希少な薬剤師のリモートワーク。在宅仕事の実態は?
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コロナ禍の最中に転職されたそうですが、そのころの薬剤師の求人状況はいかがでしたか?
Fさん
私は派遣薬剤師の経験が長かったので、もしリモートワークが可能な就職先が見つからなければ、再び派遣薬剤師として働く道も視野に入れていました。ただコロナ禍の時期、エージェントから「案件がかなり減少している」と聞き、そもそも就職できるのか?という不安がありました。正社員やパートの採用でさえも減少していると聞いていたので、派遣薬剤師の雇用はさらに厳しいものになるだろうと感じていましたね。
薬剤のオンライン処方は「今どきの働き方」という印象がありますが、薬剤師のリモート勤務は増えているのでしょうか?
Fさん
詳しい実情はわかりませんが、まだそれほど多くはないように思います。
一部ではコーディネーターの方がリモートで働くケースもあるかもしれませんが、薬剤師の仕事の大半は薬局、病院、ドラッグストアなどで患者さまと直接向き合う形です。そのため、リモート勤務をしている薬剤師の数はまだ少ないのではないかと感じています。
オンライン処方と薬局での業務にはどのような違いがありますか?
Fさん
普段の私の業務は、主に自宅でパソコンとモニターを使って仕事をしています。
薬局の場合、患者さまが目の前にいらっしゃるので直接お話しできたり、お顔を見て状態を確認することができます。
一方、オンラインでは声やテキストを通じたやり取りが中心となるため、少ない情報から患者さまの意図を汲み取る力が求められます。いただいた情報を解釈し、適切な回答をお返しするという点は特に神経を使う部分ですね。
また、テキストでお薬や体調の悩みを相談される患者さまも多く「行間を読む」能力も重要になります。患者さまの気持ちや不安をしっかり受け止め、それを言葉で伝えて安心感を持っていただくことを大切にしています。さらに、時にはお医者さまと患者さまの間に立ち、双方のコミュニケーションが円滑になるようサポートすることもあります。
薬剤師が仕事の幅を広げたいなら、ITスキルを磨こう!
対面業務を行う薬剤師の方が、薬剤師免許を活かしてリモートワークの仕事に転職したい場合、どのようなアドバイスをされますか?
Fさん
私の主観ですが、薬剤師はITそのものや、ITスキルの習得に苦手意識を持っている方も多いように感じます。一般的なビジネスパーソンにとって基本的なパソコンスキルやIT知識が、医療業界ではまだそこまで普及していない印象です。リモートワークを目指すのであれば、ITスキルの習得は必須だと思います。
例えば、薬剤師免許を活かしてマーケティング方面に進むなら、基本的なITスキルに加えて、SEOの知識やデジタルマーケティングについて学ぶなど、進みたい道に関する専門知識の習得が不可欠です。システム開発の分野を目指す場合は、SE(システムエンジニア)が学ぶようなプログラミングスキルを習得するとか。また、論文を扱いたい方はITスキルに加えて英語力を磨くと良いのではと思います。
将来的に、どのようなキャリアを築いていきたいと考えていますか?
Fさん
現在は、薬剤師として薬や患者様への対応に関する仕事内容だけに留まらず、システムエンジニアやプロダクトマネージャー、ブランドデザイナーなど、他職種の方々とやり取りする機会も多く、ユーザビリティを考えたサイト運営について話し合うことがあります。
将来的には、単に薬剤の知識を持つだけでなく、こうした専門家の方々と共通の言語で話し合えるスキルを持ちたいです。患者さまにとってより良いサービスを提供するために、多方面で活躍できる「マルチな薬剤師」になることを目指しています。
Fさんの経歴
2004年 M大学薬学部を卒業、大手製薬会社に入社
2011年 結婚
たび重なる夫の転勤のため、派遣薬剤師となり、引っ越し先近くの薬局に
複数回転職
2021年 オンライン処方サービスの会社に転職
現在に至る
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