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臨床論文で服薬指導をアップデート!

更新日: 2024年2月15日 児島 悠史

花粉症に対する「ステロイドの点鼻薬」、症状がひどくなってからしか使えない?

臨床論文で服薬指導をアップデート!のメイン画像

今回の論文

Ann Allergy Asthma Immunol . 2012 Dec;109(6):458-64. PMID: 23176888
内容:スギ/ヒノキ花粉症の患者を、①ステロイドの点鼻薬を“花粉飛散量が増え始めた直後に使用開始(初期療法)”したグループ、②ステロイドの点鼻薬を“症状が明確に現れてから使用開始”したグループに分けて、プラセボを対照に比較したランダム化比較試験。12週間の平均鼻症状スコアは、①初期療法群で2.3、②発症後治療群で3.9、プラセボ群で5.0と、ステロイドの点鼻薬は花粉が飛び始めた直後から使い始めた方がより効果的であることが示された。

ポイント

pointの画像1 花粉症の初期療法には「ステロイドの点鼻薬」も使える
pointの画像2 初期療法を行うことで花粉症の悪化を防ぎ、シーズンを通して“楽に過ごせる”ようになる

服薬指導update!

「ステロイドの点鼻薬」は花粉症治療において最も効果的な薬だが、“ステロイド”という名前や、“点鼻”というデバイスから敬遠されがちである。また、その効果を実感している患者さんであっても、“症状がひどくなってからしか使えない薬”と考えて、なかなか使い始めてもらえないケースも多い。しかし、毎年のように症状がひどくなる人の場合、花粉が飛び始めたらすぐに使い始めることが効果的なため、こうした誤解は薬剤師としてしっかりと解消していきたい。

薬剤師の画像1
薬剤師

今年も、去年と同じ花粉症の薬です。

患者の画像2
患者

また花粉の季節ですね~

薬剤師の画像3
薬剤師

去年は、薬を使っていて何か困ったことや気になることは無かったですか?(※1)


または

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児島 悠史の画像

児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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