電子化の波到来による「紙の添付文書」の行方
医療用医薬品の包装内に同梱されている添付文書がなくなります。と言っても、医療用医薬品への同封される紙の添付文書が廃止されるだけで、添付文書と同様の情報が「注意事項等情報」として電子化され、Pmdaのサイトや各製薬会社のホームページ等インターネット上で公開されます。一般用医薬品については、高齢者や子供などインターネット上の情報にアクセスするのが困難なケースを考慮して、紙の添付文書の同梱が継続されます。
紙の添付文書はいつなくなるの?
添付文書の電子化(紙の添付文書の廃止)は2019年12月に公布された改正薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の中で義務化されたものです。施行日は2021年8月1日ですが、2023年7月31日までは経過措置期間として電子化された添付文書の提供と紙の添付文書の同梱を並行して行うことが認められています。つまり、今年の8月から少しずつ紙の添付文書の同梱がなくなり、2023年8月には完全に姿を消してしまうということですね。
注意事項等情報(電子化された添付文書)の閲覧方法は?
添付文書の同梱が廃止されれば、添付文書で確認している情報はインターネット上で公開される注意事項等情報から手に入れるしかありません。これまで同様にPmdaや各製薬会社のホームページから手に入れる方法もありますが、より簡単に手に入れる方法が準備されています。
それが「添文ナビ」というアプリで、日本製薬団体連合会、医療機器産業連合会、GS1 Japanが、改正薬機法による添付文書電子化の施行に合わせて共同で開発したスマートフォン用アプリです。
改正薬機法では添付文書の電子化と同時に医薬品・医療機器の容器や包装に符号を記載することが義務化されており、厚生労働省は符号にGS-1コードを採用することを決定しています。施行日は2022年12月1日となっていますが、ほとんどの医薬品の包装にはすでにGS-1コードが印刷されています。
添文ナビはこのGS-1コードを読み取ることで最新の添付文書を閲覧することが可能になるアプリです。
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