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臨床論文で服薬指導をアップデート!

更新日: 2021年1月30日

『フォシーガ』の適応追加、心不全患者に使う際に気をつけたいところは?

臨床論文で服薬指導をアップデート!の画像

患者さんの質問に対して、回答に困ったことはありませんか? このシリーズでは臨床論文から得た知識を活用し、より説得力のある服薬指導をめざします。
実際の服薬指導のシーンを想定した会話形式で紹介します。

今回の論文

N Engl J Med . 2019 Nov 21;381(21):1995-2008. PMID: 31535829
内容:左室駆出率が40%以下の心不全患者に対する「ダパグリフロジン」は、糖尿病の有無にかかわらず、心血管死や心不全悪化を抑制すると示された研究。


ポイント

point有効性・安全性が示された臨床試験の患者背景(例:前治療や病態、年齢、体格)を把握しておく
point過去には、臨床試験の結果を拡大解釈したことで、副作用がたくさん起きた事例もある
point糖尿病でない患者さんは「低血糖」と言われてもピンと来ない可能性がある


「ダパグリフロジン」に心不全の適応が追加になりましたが、「どんな心不全にも安全で効果的」というわけではありません。どんな患者に、どんな点に気をつけながら使えば良いのか、薬剤師目線でのフォローが重要です。

患者

今日から新しい薬が増えると聞いたよ。この『フォシーガ』というの、心臓に良いんだってね。

薬剤師

はい、2020年の11月から、心不全の悪化を防ぐためにも使えるようになりました。

患者

私には合っている薬だって先生が言っていたんだけど、そうなの?

薬剤師

そうですね、たとえば心不全の分類である、あるいはあまり高齢者ではないとか、痩せすぎていないとか、あと利尿薬やβ遮断薬といった薬で既に治療をされているとか、そういった点では合っている薬と言えると思います(※1)。

ちょっと解説1

『フォシーガ』の添付文書にも、「臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、左室駆出率等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること」と記載があります1)。本研究で示された心不全の予後改善効果は、既に利尿薬やβ遮断薬などで治療を受けているHFrEF(左室駆出率が40%以下)の患者に、「ダパグリフロジン」を追加したことで得られたものですが、被験者の平均年齢は66歳と若かったこと、平均BMIは28と比較的体格の良い人が多かったことは押さえておく必要があります。
以前、「スピロノラクトン」でも同じように心不全に対する効果・安全性が示された2)ことがありますが、その時は全く異なる背景の患者にまで使われ、重篤な高K血症が急増しています3)

患者

確かに、自分は他にも色々と薬を飲んでいるんだけど、副作用とか大丈夫かな?

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児島 悠史の画像

児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。
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