薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2018年8月8日 岡村 祐聡

色々話したのに、SOAPで薬歴に書くことがない

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 薬歴を「どのように書けばよいのか」悩んでいる薬剤師さんは多いようです。
大学でしっかりと薬歴の書き方をと教わることは珍しく、勤務先の書式に従って見よう見まねで書いている方も実は少なくないそうです。
 このシリーズでは、薬剤師の生涯教育や人材育成、そして薬局運営・経営までの在り方を考える服薬ケア研究所の岡村祐聡(おかむらまさとし)先生に、多くの薬剤師さんが悩みやすい薬歴のポイントを解説していただきます。
お悩み
いつも服用している薬、何を書けばいいの?
患者さん:Aさん男性78歳。
18年前に前立腺肥大を指摘され、しばらく薬を飲む(なんという薬かわからない)。10年前よりシンバスタチン錠(5mg)を飲み始め、当初は高かったコレステロール値も、ここ6~7年は落ち着いている。4年前よりドキサゾシンメシル酸塩錠(2mg)を飲み始め、血圧のコントロールも良好。

[処方内容]
ドキサゾシンメシル酸塩錠(2) 1錠 分一 朝食後 28日
シンバスタチン錠(5) 1錠 分一 夕食後 28日分
 今回のお悩みは、ベテラン薬剤師さんからの以下のケースです。
「患者さんとの信頼関係は良好だと思います。いつも飲んでいる薬について、作用時間や細かいことを聞かれて説明するとA に書いていますが、これでよいでしょうか? また、その時Pには何を書けばよいですか?『今まで通り継続を』くらいしか思いつきません。飲んでいない薬との違い(奥様の眠剤との違いなど)などを長々話したのに、いざ薬歴を書こうとすると『書くことがない』状態になってしまいます。患者さんとはたくさんお話しましたし、患者さんも納得はしてくださったと思うのですが、『薬歴は?』となってしまいます。このような場合、どうしたらよいでしょう?」
解決!
SOAPは考えるためのガイド
 まず、SOAPの基本から復習しましょう。SOAPとは、患者さんとお話している最中に、薬剤師の頭のなかで患者さんをどのように見ているのか、患者さんの現状をどのように考えているのかをガイドする分析方法です。ですので、私は「SOAP分析」と呼んでいます。決して薬歴を書くときに「どこに何を書くのか」のルールではありません。まず、この基本をしっかりと頭に入れましょう。この基本さえしっかりと理解できれば、そもそも「Pには何を書けばよいのか?」という疑問は…

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年には、服薬ケアを学ぶ全国の有志で設立された「服薬ケア研究会」から要請を受け、会頭に就任。最新著書は「10日間で極意をつかむ選ばれるかかりつけ薬剤師になる 患者応対技術と服薬ケアコミュニケーション」(診断と治療社)。書籍の詳細は服薬ケア研究所のホームページを参照。
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