調剤時残薬調整加算Q&A・薬が増えた場合も算定可? 手帳の記載は必須?
「薬局のアンテナ」のてっちゃんです。
2026(令和8)年度診療・調剤報酬改定では、重複投薬・相互作用等防止加算が廃止され、新たに調剤時残薬調整加算と薬学的有害事象等防止加算が設けられました。
特に調剤時残薬調整加算は旧点数からの変更点が多く、算定頻度も高いため、非常に多くのご質問をいただいています。
そこで今回は、調剤時残薬調整加算について、特に多く寄せられるご質問を取り上げます。
調剤時残薬調整加算の概要は以下でご確認ください。
調剤時残薬調整加算の概要/筆者作成
Q1.算定要件に「手帳に記載すること」とあるが必要になったのか?
結論として、減数調剤時には必要であり、疑義照会による処方変更時には不要と考えています。
確かに、調剤時残薬調整加算の算定要件(4)には「ウ 手帳を用いて服薬管理指導を行う場合には、当該手帳に記載すること。」とありますが、この算定要件(4)自体が減数調剤を指す内容になっています。
詳細は以下の図もご確認ください。
算定要件に「手帳に記載すること」とあるが、必要になったのか?解説図/筆者作成
なお、「調剤報酬点数表に関する事項(別添3)」という、算定要件などをまとめた通知(算定要件の元資料)があります。
そこにある「通則6」に減数調剤についての記載があり、調剤時残薬調整加算の算定要件(4)とほぼ同じ表現になっています。
この点からも、手帳への記載は減数調剤時のみでよく、疑義照会による処方変更時は不要と考えるのが自然です。
調剤報酬点数表に関する事項(別添3)通則6から見る減数調剤時の手帳への記載について解説/筆者作成
加えて、仮に疑義照会でも手帳記載が必要であれば、実務上大きな変更点になります。
疑義照会でも手帳記載の必要があるかどうかについては、改定の主要ポイントとして説明があってしかるべきですが、そのような扱いは見当たりませんでした。
以上のことから、手帳への記載は「減数調剤時には必要、疑義照会による処方変更時には不要」と判断しています。
なお、減数調剤時には手帳への記載が必要であり、通知の記載から判断する限り、記載内容は「減数調剤を行った旨」と「残薬の状況」になると考えられます。
Q2.薬が増えたり、日数が延長した場合は算定出来るか?
理由にもよりますが、医師の処方漏れや処方ミスなどが理由であれば、算定は難しいと考えます。
もともと、薬剤の追加や投与期間の延長で算定可能との考えは、旧)重複投薬・相互作用等防止加算の「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」に該当する場合の一例として示されていたことが根拠です。
引用元:「医療課疑義解釈資料の送付について(その1) 事務連絡平成28年3月31日 /厚生労働省保険局
この疑義解釈自体も平成28年当時のものであり、更に、旧)重複投薬相互作用等防止加算(残薬調整以外)についての考え方です。
現在は廃止された点数であり、調剤時残薬調整加算の前身は旧)重複投薬相互作用等防止加算(残薬調整)です。
そのため、この疑義解釈を根拠に、薬の追加や日数延長で調剤時残薬調整加算を算定できると考えるのは難しいでしょう。
