OTC類似薬の保険見直しについて選定療養との違いや支払金額イメージを解説
「薬局のアンテナ」のてっちゃんです!
2026(令和8)年度診療報酬改定・調剤報酬改定の議論と同時進行で、OTC類似薬の保険給付の見直しについても議論が進んでいます。
今後、詳細が明らかになってくると思われますが、多くの患者に影響がでることが想定されます。
また、選定療養との違いについて意外に知られていない部分もあります。
そこで今回は、OTC類似薬の保険給付の見直しの現状や、課題、選定療養との違いなどを解説します。
本コラムをお読み頂くことで、OTC類似薬の保険給付の見直しについて、患者に自信をもって説明できるようになります。ぜひ最後までお読み下さい。
OTC類似薬の保険給付の見直しとは?
OTC類似薬の保険給付の見直しは、元々、日本維新の会の肝いり政策でした。
当初は、OTC類似薬を保険給付の対象外(つまり全額自費)とすることが掲げられていましたが、政治的な調整を経て、対象薬剤の薬剤費全額ではなく薬剤費の1/4を「特別の料金」として、別途患者から徴収することで話が進んでいます。
引用元:OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について /厚生労働省
対象薬剤の範囲は77成分で約1100品目とされており、具体的な成分も公表されています。
具体的な品目は現時点(2026.1.13時点)では示されていませんが、77成分に対して1100品目ということは、後発医薬品も対象に含まれるものと思われます。
参照元:特別料金の対象となる医薬品の成分一覧(案)(令和7年12月25日第209回社会保障審議会医療保険部会 第9回高額療養費制度の在り方に関する専門委員会 参考資料3) /厚生労働省
L―カルボシステイン(ムコダイン)、酸化マグネシウム(マグミット)、フェキソフェナジン(アレグラ)、ヘパリン類似物質(ヒルドイド)、ロキソプロフェン(ロキソニン)等が掲載されており、本制度が導入されると多くの患者に影響が出ることが想定されます。
※カッコ内は想定される先発品名を記載
引用元:OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について /厚生労働省
また、全ての患者に「特別の料金」を求めるのではなく「こども、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方等」は本制度の対象外とする方向で検討が進んでいます。
ただし、「医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方」を対象外にする場合は、制度自体が形骸化することも懸念され、対象患者の線引きに注目が集まります。
なお、本制度の導入時期は令和8(2026)年度中とされています。
選定療養との違いは?
OTC類似薬の保険給付の見直しと選定療養は混同しがちなので、その違いをしっかりと理解しておきましょう。
選定療養とは「患者の選択により特別の料金を支払うことで、保険外の診療と保険診療を併用するもの」を指します。
要するに、選定療養という名称のとおり患者が選択するので、特別の料金を患者に支払って頂くという仕組みです。
今回のOTC類似薬の保険給付の見直しは、患者が選択するものではありませんので、選定療養には該当しません。
よって、行政の資料でも選定療養という表現は用いられておらず「長期収載品で求めているような別途の保険外負担(特別の料金)を求める新たな仕組みを創設し…」
とされています。
引用元:OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について /厚生労働省
敢えて選定療養という言葉を避けているようにも見えますが、少なくとも患者の選択が伴っていない以上、選定療養とは異なる仕組みが導入されると想定しておいた方が良さそうです。
